[コンサルティング事例] 3年間のV字回復 - K寺(神奈川県)

井出 悦郎

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お寺の未来総合研究所のコンサルティング事例として、K寺(神奈川)の取り組みをご紹介します。

2015年に、K寺のご住職から以下の要望・課題をいただきました。
それぞれの課題に対して、K寺のご住職をはじめとしたみなさまと知恵を出しながら、3年間にわたって適切な取り組みを展開し、目に見える成果を達成しました。

[課題1:収入減少の食い止め]
近年、墓地収入の減少に伴ってお寺の全体収入が減少。まずは収入の減少を食い止めたい
→適切な財務分析に基づいて課題を明確化し、適切な取り組みを導くことで、収入増を達成しました。

[課題2:檀信徒への教化活動・地域への社会貢献]
檀家さんや地域の方々に対する貢献や教化を今まで以上にしっかりと行ない、お寺の良さを多くの人に届けていきたい
→適切な収支管理の下に、教化活動に対する支出を拡大し、積極的な教化活動を展開。様々な法要・行事における参詣者の増加と満足度の向上を達成しました。

[課題3:適切な将来投資]
その上で、次代にお寺を継承していくために、必要な将来投資はしっかり行ないたい
→ホームページの改善や、新規墓地の造成など、長期視点での将来投資を行ない、一定の成果を得ました。

以下に、お寺の未来総合研究所のコンサルティングに対する、K寺のみなさまの声をご紹介します。

住職の声

1:縁起・寺業を含めたお寺に対する全体的理解

お寺の「歴史」「行事」「寺族・従業員」「業務内容」「現状」「財務」「思い」「不安」「目指す所」などを徹底的にヒアリングして、把握してもらったことです。徹底的に把握して頂いた上でのアドバイスなので、アドバイスに対しての信頼の厚さがありました。

2:事実に基づいた方向性の明確化

〝なんとなく〟の肌感覚でしか感じなかった「数」(お布施の金額推移や法事の件数推移・塔婆の件数推移)を過去に遡って見てもらうことによって、方向性を見出すことができたのは、今後のお寺の方針を定めていく上で、大きな確証となりました。

3:地に足の着いた墓地戦略の策定

墓地開発の時に「これを埋めてみてください」という、墓地開発にあたって考えるべき質問シートを頂き、いろいろ考えながら埋めました。そのことにより、お寺の歴史やストーリーを振り返り、墓地へのビジョンを定めることができました。それを開発業者や石材店と共有し、同じ意識を持って、ぶれることなく開発を進めることが出来たことは、とても大きかったです。

4:お寺と受け手の両方の視点

コンサルティングで心強かった部分は、こちら側の思い(寺院側・住職側・寺族側)と、受け手側(檀家・門徒・一般人)の両方の視点を持っていることだと思います。
寺院がいろいろなことを取り組もうとしても、どうしても寺院側の思いや価値観ばかりが先行し、受け手に理解をしてもらえない、伝わらない、寄り添っていないということが多々あります。寺院側の思いと、受け手側の目線を繋いでくれるということが、私にとって心強く思っております。

5:従業員も含めた寺内への考え方の浸透

寺庭婦人や従業員も一緒にミーティングに参加させて頂くことにより、「お寺の未来的考え方」がお寺の中にも浸透し、深く考える習慣や受け手がどう捉えるのか?ということを考える習慣ができました。お寺の様々な取り組みにそのイズムが影響・反映しています。コンサルティングというものに対し、お寺のみんなも「不安」「戸惑い」があったと思いますが、今となっては「お寺の未来さんならどう考えるか?」「今度お寺の未来さんに相談してみたら…」と言うようになりました。

6:住職の真摯な相談相手

住職には相談相手がいないもので「井の中のかわず」になってしまいがちです。そのなかにおいて真摯に相談に乗り、向かい会ってくれる人がいるということは、大変心強いと思っております。

寺庭婦人の声

1:経営数値の意味が分かることで適切なアクションにつながるようになった

より数字の意味を意識するようになりました。税理士からの決算報告を聞く時も、一つひとつの数字の意味を物語として理解できるようになりました。数字の一つひとつの意味が見えることで、闇雲ではなく、適切なアクションにつながるようになりました。
先日のリフォームの際、職人さんから「以前は止めに入ってたけど、今回は入らないね」と言われました。数字が分かるようになると、今年はこのくらい使っても大丈夫と思えるようになり、気持ちにゆとりができたのだと思います。

2:住職がみんなの意見を冷静に聞くようになった

住職とは夫婦でもあるので、二人になると感情的になりやすいです。しかし、第三者がいることによってお互い相手の意見を冷静に聞けるようになりました。「お寺で何か起こったときに責任を取るのは俺だ!」という責任感の強さから、どうしても俺が、俺がという意識が強かったのですが、住職が冷静にみんなの意見を聞くようになったことが大きいです。

従業員の声

1:住職の考えに良い影響を与える第三者

小さいコミュニティの中では知らず知らずに閉塞的な考えや物の見方になってしまう所に俯瞰的な意見で風穴を開けてくれます。
どこのお寺も最終的な決定権は住職であると思いますが、家族、従業員の意見は響かなくとも全く同じ事を言っていても井出さんに言われるとすんなり入ってくると言う事はあると思います。
誰に言われるかって結構違うのでそういった意味でも住職の考えを動かせる第三者がいるというのは大きいのではと思います。

2:お寺にとって信頼できる情報源と相談相手

お寺はどうしても一般社会とのズレがある環境だと思います。その中で社会を広く見て経験・知識が豊富である、尚且つお寺業界の知識も豊富な人との会話はそのズレを埋めたり気付かされたりすることが多く、得るものが沢山あると思います。
お寺の人間ではないのに真剣にお寺の未来を考え構築していってくれる人は貴重です。目に見えない物にお金を払うことに抵抗があるかもしれませんが、情報過多な時代、信頼できる情報はもっとも入手が難しい物であり、今後のお寺作りの中でその情報は全ての判断基準の土台となると思えばコンサルティングしてもらう価値は大きいと思います。

3:従業員の意見も吸い上げてくれる媒介者

家族経営、お寺という特殊な環境の中で全てが家族間の話しで決まっていく場合、従業員は意見が通らないもしくは言えないという立場の方もいるのではないでしょうか。
そんな環境でお寺の従業員でもなく家族でもない人が入ってくれることにより溝が埋まったり、従業員の意見も吸い上げるような提案がなされて風通しがよくなる事はあると思います。

井出 悦郎

(一社)お寺の未来総合研究所 代表理事。東京大学文学部卒。人間形成に資する思想・哲学に関心があり、大学では中国哲学を専攻。銀行、ITベンチャー、経営コンサルティングを経て、「これからの人づくりのヒント」と直感した仏教との出会いを機縁に、(一社)お寺の未来を創業。平成30年に当社設立

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